MISSI'S BLOG

のんびりやってます。

「銀の三角」

そうそう、「銀の三角」感想かいちゃおう。って、そんな軽いノリで始まっていいのか?よくわからないが、私が書く感想なんて、ふふふふ、軽いですw やけくそです。
何これ?すげぇなと、ハードカバーの「銀の三角」を本屋で見つけたのは偶然です。財布の持ち合わせはあるけども、かなり普通の漫画のコミックスと比べて高いんですけど?重いんですけど。なんか難しそうなんですけど?まだ(当時学生だったかな?)若造で金も無い頃でした。もう、普通のコミックスじゃ駄目なんですか?と、ちょっと腹立たしくなった。萩尾先生の名前があったら、欲しいじゃないですか!?でも、でも、と、数分悩んだ末、買ったっけ。
当時、読み始めて何これ、難しいと。この頭の悪い子でも読めるだろうか?と戸惑いながら、読んだように、数年ぶりに同じようなことを考えながら再読しましたよ。
最初は不安なんだけど、読み進めていくうちにラグトーリンのしっとりとした美しさに惚れてしまう。美しい銀の三角人に思いを馳せてしまう。繊細な画面にうっとりしてしまう。
漫画には音楽は聴こえない。でも、音楽が、紙の隙間から線の隙間から聴こえるような気がする。世界にはこんな美しい作品はもうないのではないかとさえ思ってしまう。
そして主人公のマーリーを追いながら、この不思議な時間と空間を彷徨う。
何度も行き来する時間は、先生の漫画の中では夢のような空間を感じる。
閉じ込められた銀の三角人を哀れみ、歳取るごとに狂っていく王に憐れみを感じる。王の小さなお姫さまを見て、マーリーが人質をとるのを止めるエピソードは可愛い。
すべてが終わったとき、確かに細かい所はわからないような、わかったような気がするのだが、それでもいいかと思ってしまう。
切ないような、寂しいような、おおきな溜め息が出てしましそう。
どうして、こんなすごいお話作るかな〜ほんとうにもう、萩尾先生は。本当になんでこんな本を出すかな〜と、だんだん怒りを感じながら本棚に仕舞い込む。ううう。大好きですと呻きながら。

銀の三角 (1982年)

銀の三角 (1982年)

銀の三角 (白泉社文庫)

銀の三角 (白泉社文庫)

銀の三角 (白泉社文庫)

銀の三角 (白泉社文庫)