MISSI'S BLOG

のんびりやってます。

 「A−A’」「4/4カトルカース」「X+Y」

A-A’ (小学館文庫)

A-A’ (小学館文庫)

「A−A’」と「4/4カトルカース」「X+Y」とストーリーは繋がってはないが3作で一角獣シリーズとなっている。
「一角獣」種は宇宙航行のために開発された遺伝変異種で、もりあがった頭部(絵だけでは目立たない)赤いたてがみが特徴である。
そして視聴覚範囲が人よりずれている。反射神経が鈍い。感情の起伏も乏しい。

理系弱い私にはSFの舞台は難しいので、雰囲気や主にキャラクターの環境設定や性格に引き寄せられてしまう。なので、この感情表現の狭い、常に無愛想なヒロイン、アデラドにはなかなか入れ込みしにくかった。そうそう、それに、この頃の萩尾先生の絵は、美しいけど、どこか近寄りがたい雰囲気があった。
ただ、ポニーの思い出のエピソードが可愛らしく可哀想で忘れがたく、ラストに…黒馬(ポニー)の話をしたい この人に…のくだりでようやくじわじわっとくるのだ。
クローンは本人ではないではないかと思いつつ、それでも報われるならいいのかもしれない。
氷に閉じ込められたアデラドは哀しみの象徴のようではあるけれど、ゼロから再スタートすればよいよね。
そういえばよく見たらよく見なくてもwレグさんは黒髪で、馬顔だね(^^)
30年くらい経ってから気がつく私。


「4/4カトルカース」は「A−A’」の続編と云う訳では無い。アデラドとは違う一角獣種の少女のお話である。
心を閉ざし、言葉も遅れているので感情が無いように思われていたが、ひとりの少年に出会って、感情を解き放ってしまい、不幸な結末を迎える。
少女トリルと少年モリの可愛く哀しい恋の物語。
トリルが、モリに抱き寄せられても腕が伸びきってるのが可愛い。そんでもってモリが念動力があり(コントロールできない)、右目がカレイドスコープ・アイの持ち主。なんかカッコイイので、彼の設定は美味しいのだった。この、右目設定とか、いろいろ思うことがあるのですが…この話は後で。
可愛い恋の物語になるのかと思いきや、結構重くラストは辛すぎる。当時読んでた私はずもーーーんと落とされる感じであった。哀しいよ。哀しいよね。

そして次の「X+Y」は去年やっと読んだのだった。当時プチフラワーの購読から離れてきた頃だったのですー(。。;)
それで、「4/4」で、ずもーーんと落ちたままだった私は、当時なんで「X+Y」読まなかったのよ〜と、今頃自分の胸倉つかんで揺すってます。
この作品ではタクトという一角獣種の少年が登場する。一人称が変で、感情表現が薄く、風変わりであるが、自分の研究に打ち込んでるから、辛さは感じられない。
大真面目にやっているぶん一角獣種の特徴がコミカルにさえ描かれ、無愛想な美少年ふうだけど、とても可愛く感じる。
(今更だが多少ネタバレしない様に書いている)
そして、もうひとりの青年が登場する。成長した4年後(19歳)のモリだ。4年前のことを引き摺っているが、なかなかこっちも美青年に成長してて読者は嬉しいw
そして、「4/4」とは違いこっちではハッピーエンド。
まるで前回の可哀想なふたりを救うべく先生が作ったのかしら?と思えた。
キャラクターは素敵だし、コメディ部分も楽しいし、ジブリがアニメ化しないかと思う程(しないよね…)空飛ぶシーンは素敵だし、SFの楽しさもあり、ラブストーリーの楽しさもあり、好きなお話だった。兎に角めでたしめでたしで、よかった。

蛇足だがネットで拾った話。エヴァンゲリオンのレイのモデルはアデラド説があって、なるほど〜と思った。
それからモリはオスカー系譜説もなるほど〜。
そうなのだ。ここでモリの右目ですよ。マージナルのメイヤードもそうだが目がポイントだ。
オスカーは片目が隠れているだけであるが、義父は目が病気だったのを思い出す。ま、それだけなんですけどね。偶然かもしれないけどオスカーファンはふふふっとなってしまったのだったv